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生化学

検査項目名称 総水銀(Hg)
コード 00116
統一コード 3K150-0000-001-274
検体必要量(mL)容器 / 保存
尿 0.5
U-1
採取条件・提出条件 / 備考
所要日数 3~23
検査方法 原子吸光分光光度法
基準値 22以下
μg/L
実施料 / 判断料

容器画像

コンペンジウム

高値 ■水銀中毒(水俣病)
低値
解説 水銀(Hg)は熊本、新潟において発見されたメチル水銀(有機水銀)の中毒症として有名な水俣病の原因物質で、人体には全く必要のない物質であり、体内で蓄積した場合には有害である。最近では歯科用アマルガム(水銀と銀、スズ、銅の合金)から発生する水銀蒸気曝露が問題視されたことがある。
生体内にはメタロチオネインというアミノ酸61個からなる金属結合タンパク質があり、このタンパク質はシステイン(SH基を含む)というアミノ酸が20個存在するため重金属と結合しやすく,また重金属が体内に吸収されると肝臓や腎臓などで合成されるという特徴を持っている。メタロチオネインは無機水銀(イオン型)をはじめ多くの金属化合物に対して解毒作用を有することが知られているが, そのために金属がある程度まで体内に蓄積されてしまう。
通常の有機水銀の摂取経路は魚介類が多く、特に血中濃度はこの摂取量に左右される。食品とともに経口的に摂取されたメチル水銀の腸管からの吸収率は90%以上と、無機水銀が5%以下であるのに比べて極めて高く、腸管から吸収された水銀は、主に肝、腎、及び脳等に蓄積される。水銀中毒ではこれらの臓器が冒されるため企図振戦(小脳の機能不全による比較的ゆっくりとした振幅の大きなふるえ)、精神不安定症、口内炎、歯肉炎などの症状が知られ、肝、腎機能も障害される。
水銀の生物学的半減期は、70日程度と考えられ、尿、糞便、頭髪などから排泄される。

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