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生化学

検査項目名称 クロール(Cl)
コード 01003
統一コード
検体必要量(mL)容器 / 保存
尿 1.0
U-1 (1週)
採取条件・提出条件 / 備考 血液凝固後できるだけ速やかに血清分離血清分離不可能な場合は室温に静置全血のまま冷却は厳禁(溶血又は血清分離までの時間が長い場合、Kが高値を示します。)尿は24時間蓄尿し全尿量を記録して必要量を提出蓄尿は冷暗所で行ってください。
所要日数 2~3
検査方法 電極法
基準値 169~338
mEq/day
実施料 / 判断料 11 判生Ⅰ ※

容器画像

コンペンジウム

高値 尿中Na高値
<細胞外液量減少>
■腎性Na喪失(尿細管性アシドーシス,代謝性アルカローシス,利尿薬など)
<細胞外液量増加>
■腎不全 ■SIADH
尿中Cl高値
■原発性,二次性高アルドステロン血症 ■クッシング症候群 ■異所性ACTH産生腫瘍 ■Bartter症候群
低値 尿中Na低値
<細胞外液量減少>
■腎外性Na喪失(嘔吐,下痢,摂食不良など)
<細胞外液量増加>
■うっ血性心不全 ■肝硬変 ■ネフローゼ症候群
尿中Cl低値
■嘔吐 ■利尿薬 ■嚢胞性線維症 ■塩化物の下痢
解説 ナトリウム(Na)およびクロール(Cl)の尿中への排泄量は、通常その摂取量を反映する。血中と尿中のNa、Clの関係をみると、血中Na、Clは、ほとんどが糸球体で濾過された後、尿細管で再吸収され尿中に排泄されるのは約1%程度である。すなわち尿細管で約99%が再吸収されるが、塩分の摂取量が制限されている場合と過剰に摂取された場合の尿細管での再吸収率は98~100%の間で調節されている。腎糸球体濾過量、尿細管の再吸収と排泄能、副腎皮質機能や全身の血行動態などが尿中電解質の排泄に関与しており、これらに障害が生じると尿中排泄量の異常がみられる。
尿細管で再吸収されるNaの終末尿への排泄と尿細管で再吸収されないクレアチニンの排泄の比を求めることで、腎糸球体で濾過された血中Naが終末尿にどれだけ出現するか(FENa)を推算することが出来る。FENaは、尿中Naの測定とともに、血中Naおよび尿中、血中クレアチニンを測定し、Naクリアランスとクレアチニンクリアランスの比によって求められる。仮にクレアチニンと同様にNaも尿細管で全く再吸されないとすればFENaは100%の結果になる。
また、Naは浮腫がない場合には摂取した量と尿中への排泄量はバランスがとれていることから、尿中Na排泄量を測定して食塩摂取量に換算し、高血圧患者などでの食事指導にも用いられている。
ClもNaと同様、尿中排泄量は食事により摂取されたNaCl量を反映するが、食事中にはNaCl以外の塩化物が存在するため、Clの排泄量がNaを上回ることになる。Cl尿中排泄量は代謝性アルカローシスの鑑別に有用である。

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補足情報

ナトリウム及びクロール 両方を測定した場合も、いずれか一方のみを測定した場合も、同一の所定点数により算定する。

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